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「直流電化」||車-LINK.com [05/28update]

直流電化 wikipedia|無料辞書

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直流電化 (ちょくりゅうでんか) は、直流電源を用いる鉄道の電化方式。

◆ 概要
1879年ベルリン工業博覧会で世界最初の電車走行が実現した。この時の電力は直流を使用した。以降、第二次世界大戦後の商用周波数による交流電化が普及するまで、鉄道・軌道の電化方式は直流が標準的なものとなった。
方法としては、高圧 - 特別高圧(送電端6.6kV - 77kV)で受電した交流電力を、変電所にて必要な電圧に変換後、整流器で直流にして架線などに電力を供給する。架線電圧は、絶縁耐力からモータの製造可能な動作電圧を上限として500 - 3000Vが選択されている。その中で、現在、世界的に多用されているものは600V、750V、1500V、3000Vの4種類である。
交流は変圧が容易なため、交流電化方式では架線に特別高圧(≧10kV)を用いて車上で降圧・整流してモータに供給するため、変電所間隔を50km - 100kmにできるのと比べ、直流では500V - 3000Vという電圧値からの許容電圧降下が小さいことで、太い架線や給電線(き電線)を使って電圧降下を抑えても変電所間隔が5km〜10km程度になり、多数の変電所を必要とするが、最近では、太い架張線を複線にするき電吊架方式にしてき電線を省略する事例もある。
特に日本における旧・日本国有鉄道での事例では、直流変電所への特別高圧送電線が送電端22kV規格(受電端20kV)から変圧して直流1500Vを得るのが標準的だったのを、交流電化に際して送電電圧20kVをそのまま採用して開発試験を行って定着した経過があるため、直流変電所を地上側に作る(=直流電化)か車上側に作る(=交流電化)か、という選択であったとされている。なお、現在の受電電圧は66・77kV以上が主で、特別高圧22kVは都市部の配電線にも使われるようになった。
直流電化では地上設備側のコストが高くつくが、車両の製造コストは交流車両にくらべて低い。したがって、運転頻度が高い路線に向いた電化方式といえる。北陸本線のように、列車本数を増やすため、および他線区からの直通を目的として、交流電化区間の一部を直流電化に転換する例もある。
また、電圧の高い交流電化に比べて絶縁距離を小さくできるので、結果として周囲の建築物との距離を小さくできる。そのため、トンネル断面の制約のある地下鉄では直流電化が大多数である。また、非電化であった七尾線を電化するにあたって、交流電化の北陸本線に接続するが低いトンネルをくぐるために直流電化された。

◆ 整流方式
交流から直流に変換する方法としては、800V程度までの低い電圧には、かつてはなどの回転機が用いられ、後に静止型として高圧にも使えるが用いられたが、安定したの出現でこれに移行した。

◇ 回転変流機/電動発電機
当初の回転機型では「電動発電機」よりも効率の良い「回転変流機」が主に用いられた。
回転変流機では回転子と巻線が交直両方で共用されており、直流側リードは各整流子セグメントに繋がれ2組のブラシで直流負荷側に繋がれる直流電動機発電機の構造で、この巻線から3等配で引き出した交流側リードは、スリップリングを介して三相交流電源側に接続する電機子回転型同期電動機の構造で、巻線が交直共通で電流が相殺され、負荷電流による電機子反作用が交直両巻き線で相殺されて、同寸法の電動発電機方式よりも遥かに大きな電力を扱えた事により鉄道用直流発生装置に多用された。
信越本線横川-軽井沢間の碓氷峠アプト式区間の電化はこの回転変流機を使って行われた。
整流子の絶縁の問題で800Vを越える電圧の回転変流機は安定的に作れなかった。電動発電機も回転変流機も可逆的であり電源側への電力回生を許容する。


◇ 水銀整流器
育英高専の水銀整流器(2003年11月2日撮影)
回転機の整流子の保守を避けたい場合やもっと高電圧を使う場合には「水銀整流器(管)」を使った。電力回生が必要な場合は、ゲート制御電極付き水銀整流器を使って、逆接続の回路を設けて電力回生に必要な交流の逆方向電流を許容した構成にした。日本では陰極共通のガラス製の三相用3〜6陽極水銀整流器をその形から「タコ」と呼んだ。
大型の水銀整流器は鉄漕型で、陽極数は6極、12極があり、真空ポンプで真空状態を作って動作させたが、その補助ポンプに高真空を作る水銀拡散ポンプを必要とし、動作温度範囲が狭く陰極の予熱が必要だったり、アークの電圧降下も20V弱〜数10Vあって損失も大きく、逆弧の発生など扱いが大変だった。
なお、イグナイトロン、エキサイトロンはゲート電極付き単極水銀整流器の一種であり、それを封じ切り構造とした車載用製品を初期の交流電気機関車に採用している。走行振動によるアーク不安定、(センタータップ式整流回路での2組の電圧切替を避ける)高圧タップ式電圧切替の絶縁などのトラブルに悩まされて、安定な大電力シリコン整流器の台頭で次々換装された。

◇ シリコン整流器
後年、電力損失の少なく安定した大電力用のシリコンダイオードが開発されて、それ以降シリコン整流器方式となった。シリコン整流器なら順方向電圧降下が逆耐電圧で3素子直列としても1V×3×2前後で済み、予熱も不要で高効率のうえ動作が安定である事により水銀整流器を一掃した。
ゲート動作がないため交流位相に合った逆方向電流を許容しないので電力回生は不可能になり、他に力行車両がない場合は回生失効するので、大落差降坂などの回生電力を確実に消費させるためには回生電力吸収装置や電源側に回生電力を送り返す変換機が必要となった。
冷却方式は、以前はファンによる風冷式→油入自冷式→フロン沸騰冷却式→パーフロロカーボン(PFC)沸騰自冷式と進化したが、フロンやPFCは1997年京都会議地球温暖化規制物質となって使用ができなくなったため、最近では純水沸騰自冷式(ヒートパイプ式)が主流である。

◇ サイリスタ(SCR)整流器
制御電極(ゲート電極)の付いたシリコン整流器(SCR)をサイリスタと呼ぶ。これにより水銀整流器同様に位相制御をして電圧調整をしたり、電力回生制動に用いたり、定格出力以上で電圧を下げる垂下特性を実現することができる。

◆ 整流回路