森林の中を移動する大型哺乳類は、闇雲に森林内を行き来するのではなく、それなりにコースを決めて移動する。これは大型哺乳類にとって、移動しやすい場所、移動経路として向いている場所がある一方で、逆に移動しにくい場所、移動経路として向かない場所もあるからである。そのようなところは地面が多少とも踏み固められ、低木の小枝は折られ、足下の下草は喰われて短くなったり、踏みつけられて枯れたりするので、獣道は肉眼でも見つけられる。さらに、大型哺乳類に
種子を付着させて分布を広げる戦略を取っている
植物や、大型哺乳類に
果実を食べさせ中にある種子を運ばせる戦略を取っている植物や、踏まれることに強い構造を持った植物など、何らかの特徴を持った植物が、獣道沿いに分布を広げているケースもある。なお、この中で、果実の種子が運ばれた場合、獣道沿いに餌場が出来るので、これにより、益々経路が固定化しているとの指摘もある。
たとえば、熊野古道や高野の古道など、山塊を越えて続く道の場合、道はほぼ
尾根筋をたどり、特に高いピークは山腹に回って向こう側の尾根に抜ける。これに対して自動車道をつける場合、より低い山腹をゆっくりと上り下りするコースを取るから、両者が両者全く異なるコースとなる。共通するのは、尾根を越える場合にその低くなったところを通るくらいなので、そういうところで古道を車道が分断することになる。